加藤ミケ
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① (5.29 加筆修正)
2009-05-27 Wed 22:53
寒い・・・凍えそう、だ。
体中を支配する感覚は等しく、それだけ。

それもその筈だ。
僕は頭のてっぺんから足の先まで全身、ずぶ濡れだった。
先程までずっと、土砂降りの雨に打たれていたのだから当然といえば、当然の話。
別に傘を忘れたわけではなかった。
では、何故?
自分の心の中で、誰かが問いかけた。
知ってるくせに、と自嘲気味に「笑った」。
僕の、夜を纏ったような黒い髪。そこから雫が滴り落ちる、刹那に。




彼女がいない、から。
こんなに虚ろなんだろうか?


記憶の端に見え隠れするのはあの日の記憶か・・・・?

――― 白 、白い壁、 キミノ、君の腕、 独特の匂い、 一定間隔の音、音、オ ト・・・。

もうあれから、ずいぶん君には会っていないけれど、元気だろうか?
いや、そんな訳無いよな。

空回りな自問自答。
思考することから逃げるように、一歩、また一歩踏み出す。
その度、雫がひとつ、またひとつ落ちる。

僕の心みたいに。




気づけば、家に着いていた。ドアを自分で開ける前に、勢いよくドアが開く。
途端に、また目の前でドアが閉められた。それと同時に、ドタドタという足音が
聞こえる。
鍵が開いていないから、入れるのは良いが、なんだっていうんだろう。全く。
とりあえず自分でドアを開けると、其処には先程ドアを開け、そして僕を入れることなく閉め出した張本人が仁王立ちになって現れた。ものすごい形相に似合わず、片手にはやたらと可愛らしいキャラクターもののタオルを携えて。

「え・・・何?」

相手は相当機嫌が悪いのか、僕を思い切り睨み付けて言った。

「バカ・・・!何やってんの?!最近おかしいよ。
何で傘も差さないの?風邪引くってことくらいわかるでしょ?あたしより年上なんだからさぁ・・・・、少しは考えたら?ねぇ。ちょっと、なんか言ったらどうなの?」

興奮気味の、2つ年下の妹の莉子に、思い切りタオルを投げつけられた。
多分、莉子なりの優しさなんだとは思う。
それにしても、ここまで自分の妹に罵倒される機会なんて、今までなかったよな・・・。
まるで他人事のように思考してから、とりあえず莉子の機嫌を直すことにする。

「ごめん。あと、ありがとう。でも、大丈夫だから。」

莉子は全然大丈夫じゃないと言いだけに口を開く。
が、僕が莉子の目をじっと見つめながら、念を押すように「大丈夫だから。」と言うと、それ以上は何も言ってこなかった。



投げつけられたタオルで頭を拭きながら、2階の部屋に向かう。
見慣れたネームプレートを前に、一瞬立ち止まる。
可愛く飾られたその木の板は、いつか莉子が学校の課題で作ったといって自分にくれた物だ。
だが、とても今の僕には、それが確かに僕を示している筈なのに、知らない誰かを指し示しているとしか思えなかった。
そんな感情を振り払うように、ドアノブに手をかける。
思い切りドアを開け放つと、そこにはいつもの僕の部屋があった。
部屋には、オーディオ機器と机以外、備え付けのクローゼットしかない。
友人にはよく、殺風景だと言われる。
僕はこれで困ったことはないが、友人からすればありえないらしい。
いつものように着替えようとクローゼットに向かう途中、机の上に何かが置いてあるのに気づく。
何だ・・・?
机に近づくと、それは一通の白い封筒だった。
「 リオ へ」
自分宛ての、そして、こういう風に僕を呼ぶ人を、僕は彼女しか知らなかった。
裏を確認すると、やはり、差出人は 数日間、音沙汰の無かった彼女だった。




加筆修正箇所
→ℓ10、14
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